ともだちがしんどいがなくなる本

- つながりを友だちかどうかで振り分けるのではなく、まず「つながりのなかに身をおくこと」

- 「交流」をおもな目的とした場はなるべく避ける。ボランティア、読者など、ほかに目的があって、会話や交流はついでにある。

- 動画を倍速で見て、気に入ったら見返す。先に結末を見て想定通りだったらすべて見る。そのような視聴方法の流行り。

- スクールカースト。魅力という身分で分かれた小集団。

- オンラインの環境が整備されてると、私たちは、対面で誰かと会うためには、それに足るだけのメリットを提示するよう求められます。

- 私たちは「友だちがほしい」「友だちが必要」という重荷を降ろしても良いのではないか

-ゲーム論で優勝したのは、1回目は信頼する。2回目以降はしっぺ返し。相手の態度を真似るということ。これを友だち関係に応用する。

-人それぞれ、という言葉は相手と距離を置くときに頻繁に使われる。

-ソクラテス「友とはなんであるかを見つけることができなかった」

 

 対面コストの点だけ意見が異なるがおおむね同意のよい本だった。

自分自身、いっしょに作業する、何かを成し遂げることで周囲と交流することが好きで、チームビルディングのためだけの実益外テーマの会議とか食事会とか、時間の無駄と思ってしまう。

それをネガティブ、排他的に感じる人はいるだろう。しかし自分も含めて対面コストを重視する人は、基本的に自分との約束をしていると思えばいい。自分で自分の時間を予約している。1人で過ごすという約束があったうえでの話なんだ。この生き方は成人してからとても有用だけど、本書はティーン向けなので自分の時間を削り倒してでも、関わりのなかに身を置くことも大切である。

ただ10代ならおよそ家族と同居でしょう。同じ家という空間のなかで、たとえ別々のことをしていても、共生している状態が大事なのではないか。これは寮生活やシェアハウスなんかでもそう。ヒトは1人では生きられない社会性を持ってしまったから、集団のなかで、心を自由にして存在する気の持ちようが、何より支えになるのだ。そのヒントが本書には散りばめられている。少しのフレーズでも良いので、悩んでいる人ぼ目に留まり、持ち帰る言葉があったらいいなと思う。

全文ふりがな付き。