葬送のフリーレン(漫画)感想続き

(内容に触れている感想)

 

 

 

 

 

 

最新12巻まで読んで、もう1巻の重みがぜんぜん違った。何度も読み返したくなる。

いちばん好きだったのはゼーリエの面接。逸材のフェルン、勝ちへの執着を持つデンケン、理由不要の殺し屋女ユーベル、在宅勤務のメガネくん、感情を排除できるヴィアヴェル、物怖じしない北方の女。

どれだけ戦闘に貪欲か、躊躇いがないか、勝利に執着できるか、それらを凌駕する才能を持つか。この辺りがゼーリエの判断基準だと思う。しかし戦いを好むかどうか強いかどうかは表層で、ゼーリエは自身の選んだ魔法使いや関わった弟子に死んでほしくないんだ。単純に生き残れる者を選別しているのだと思う。フリーレンはあっさり落っこちだったが反りが合わないのとは別に、この危ういフランメの弟子を死地に行かせたく無かったのだろう。最初にフリーレンがフェルンの預かりを断ったのと同じ理由だ。それとフリーレンが無級のままなら、北側に行くには必ず一級魔法使いが並走する。まだ言うことを聞く一級がついていればゼーリエとしては安心である。

 

追記)

さて13巻以降の勝手な予測。動きが怪しいのはレルネンである。これ討伐された魔王の転生または蘇生体ではないか。もしくはそれに準ずるもの。魔王そのものすら影武者で、実権魔王は無名のあの女大魔族かもしれないけど。

まずフリーレンの魔力制限に気づいたのが魔王とレルネンの2体だけである。ご丁寧に吹き出しに強調点まで打ってある。フリーレンに会ってひと目でそれとわかったし聖杖の証だかの価値にもすぐ気づいた。ヒンメルの死後約30年+50-60年と考えれば回想では80-90年前にヒンメルたちと聖杖について話していることになる。レルネンの生前であり、協会の体裁はころころ変わるのになぜ知っているのか。この時系列なら再生魔王が赤ん坊から人間界に潜伏したとしても帳尻が合う。そもそもゼーリエのほうが魔力に揺らぎがあるのになぜフリーレンだけ気づいたのか。フルパワーを実際に見たからである。

他にもレルネンはゼーリエの名をあげるためというよくわからない理由でフリーレンに襲いかかっているし、頼まれてもいないのに黄金郷のヘルプ要請を出している。マハト討伐をもっともらしい理由で中止させ封印しているし、平和な時代の魔法使いには似つかわしくないとゼーリエに言わしめる。じつに怪しい。

そして特権について。特権を与えられた一級は45名+ご新規6名である。フェルンの洗濯を除いたとしてもゼーリエは50種の高等魔法を譲渡により失ったことになる。特権は壮大なゼーリエ弱体化計画なのだ。そしてレルネンの企みを知りながら譲渡を続けたのであれば特権は譲渡ではなく複製であった、というゼーリエ側の裏の裏をかいた策略とも考えられる。レルネンが黒なら、ゼーリエがフリーレンを協会から1000年締め出したのも感情的な理由だけではなく万が一に備えたパワー分散かもしれない。